し
幡多弁 | 共通語 | 用例 | 解説、その他 |
し | あたり、くらい、ぐらい | そこらし、あるろん | 「そこらあたりに、あるだろう」大体の見当をつける |
しい | せよ、しろ | はよしい | 「はやくしなさい」せれ、すれよりは柔らかい言い方 |
しい | カラスガイ | しいとってきた | |
しおき | 干物 | 昼はしおきでえいろ | 小型の魚を塩をつけて干したもの。家庭で作ることが普通だった |
しおたれる | うなだれる | なにをそればしおたれちょら | 「どうしてそんなにうなだれているのか」同義語しょうたれる |
しかむ | 曇る | しかんできたねや。ざんじ雨んならや | 「曇ってきたな。すぐに雨になるよ」 |
じき | すぐ | じきできら | すぐできる |
じげ | 地元 | じげのもんじゃなかろん | 地元の者ではないだろう |
じこじこ | だんだん | じこじこぬくんなってくらよ | 段々暖かくなってくるでしょう |
しこる | 泣きしこりよる | 動詞の後につき、その動作を強める。話ししこる | |
じじくそ | じじい | このじじくそが | 高齢者を罵ることば |
しじましい | 寒い | みょうにしじましいけん、いぬるけん | 「変に寒気がするから、帰ります」寒気がする様 |
しず | どぶ、溝 | ばったり、しずい銭おといた | しまた、どぶにお金を落とした |
しずえ | 茂み | しずえん中、なんぞおりゃせんか | 茂みの中に何かいないか |
しずくたれ | びしょ濡れ | そんげなしずくたれで座敷あがったらいくまいが | そんなびしょ濡れで座敷に上がってはいけない |
じち | 真面目 | じちに仕事しよらよ | 真面目に仕事しているよ |
しちぶしゃ | ヤモリ | 毒のあるヤモリで、噛まれると七分ずつ腐っていくためこのながあるというが、実在は疑わしい | |
しつ | 打ち水 | ひんかげったけん、しつうっちょって | 「かげったから打ち水しておいて」 夏は打ち水をすることが習慣だった。同義語しと |
しつけ | 田植え | 明日はしつけやのし | 「明日は田植えですねえ」 |
じっぱり | ゆったり | じっぱりかまえちょるねや | 「ゆったりかまえているね」落ち着いている様子 |
しでる | 殴る、叩く | はらんたつこと言うけんしでちゃった | 「腹が立つことを言うからなぐってやった」 |
しと | 打ち水 | ひんかげったけん、しとうっちょって | 「かげったから打ち水しておいて」夏は打ち水をすることが習慣だった。同義語しつ |
じとつく | じとじとする | 今日はみょうにじとつくねや | 「今日はへんにじとじとするね」寒冷な気候下で住む人には理解できないかもしれないが、幡多の夏はじとつく日が多い |
しな | 〜がけ | いきしなによってくり | 「行きがけに寄ってくれ」語の後ろにつき、その途中である意味を添える。起きしな、あがりしな、帰りしな |
死ぬる | 死ぬ | そのししは、もう死ぬる | 「その猪はもう死ぬ」終止形「死ぬる」同じ型に「いぬる」がある |
しのべる | かたづける | たんすへしのべちょって | 「たんすに片付けておいて」類義語くるめる |
しばく | 叩く、殴る | わりゃ、しばかれたいか | おまえ、殴られたいのか |
しばべる | 萎びる | 長風呂したけん、いびんしばべた | 長風呂したから、指が萎びた |
しびる | 凍る、凍える | 今日は、ざまにしびるねや | 「今日はとても凍えるね」 |
しぶし | 無愛想 | あのおんちゃんは、しぶしやの | あのおじさんは、無愛想だな |
しぶた | 寒く、曇った日 | 今日はしぶたやねや | 「今日は寒い日だった」 |
しまい | ! | しまい!火んつくとこやった | 「たいへん!火がつくところだった」感動詞として危なかったことを表す |
しまう | 終わる、片付ける | もう、おそなったけん、しまおや | 「もう遅くなったから終わりにしよう」 |
しまつ | 倹約、堅実 | あの人はしまつにしよるけん | 「あのひとは堅実にしているから」 |
しめし | おしめ | しめしほしよるかよ | 「おしめ干しているのですか」 |
しもり | 錘 | しもりはどれつかわよ | 「錘はどれつかいますか」漁業用語 |
しもる | 沈む | 舟んしもっちょる | 「舟が沈んでる」しずもるという言い方もある |
しゃぐ | 轢く | ちゃっしもうた、おんびきしゃいだ | 「しまった、ガマガエルを轢いた」同義語しやぐ |
しやぐ | 轢く | ちゃっしもうた、おんびきしやいだ | 「しまった、ガマガエルを轢いた」同義語しゃぐ |
しゃくせん | カメムシ | しゃくせんがようけおるけん、今年の冬はひやいろ | 「カメムシがたくさんいるから、今年の冬は寒いだろう」 |
しゃしゃぶ | 野生種のグミ | しゃしゃぶくうてみろう | 「しゃしゃぶ食べてみよう」小さく渋みが強いが食べられる |
しゃしらん | 素知らぬ | えらそうに、しゃしらんふりしていきよる | 「えらそうに、素知らぬふりをして行ってる」 |
しゃちこち | わざわざ | しゃちこち持ってきてくれたかよ | 「わざわざ持ってきてくれたのかい」 |
しゃっき | 新しい | まだしゃっきじゃいか | 「まだまだ、新品じゃないか」 |
しゃっしゃ | さっさ | しゃっしゃせないかん | 「さっさとしないといけない」 |
しゃっち | わざわざ | しゃっち、返しにこんでえいに | 「わざわざ返しに来なくてもいいのに」同義語しゃって |
じゃらせん | 小銭 | ||
しゃり | シオカラトンボ | しゃりんおる | 「シオカラトンボがいる」同義語しゃありめん |
しゃんしゃん | さっさと | しゃんしゃん持ってこららたら、間に合わん | 「さっさと持ってこないと間に合わない」 |
じゅうがわるい | 具合が悪い | ゆうたち、じゅうがわりい | 自分の体に関することで不自由、不快を感じるとき使う。靴、衣服、姿勢などが馴染まない時使う表現。 じゅがわるい、じゅうがわるい、じゅがわりい、じゅうがわりい、じゅんわりい、じゅんわるいなど、表現が多様 |
しゅうける | 雪が降る | 今日はしゅうけちょうねえ | 「今日は雪が降り出しそうな天候ですね」雪が降りそうな様子 |
しゅうけんぼ | 寒がり | こな子は、しゅうけんぼやけん | 「この子は、寒がりだから」 |
じゅじゅむ | 滲む | この色紙じゅじゅんじょる | 「この色紙、滲んでる」粗悪な色紙は濡れるとじゅじゅんだ |
しゅっぴん | とびこみ | しゅっぴんするけん見よれ | 「飛び込みするから見ていろ。」同義語すっぴん |
しゅむ | 滲みる | あかちんはしゅまんけんど、ようちんはしゅむ | 「赤チンは滲みないが、ヨードチンキは滲みる」 |
しよい | 易しい | そればのこたしよいことよ | 「そんなことはたやすいことだ」 |
じょうく | しょっちゅう | じょうく、飲みよらよ | 「しょっちゅう、お酒を飲んでいるよ」 |
しょうだち | 育ち | しょうだちんわりいもな、どもならん | 「育ちが悪い者はどうにもならない」 |
しょうたれる | うなだれる | なにをそればしょうたれちょら | 「どうしてそんなにうなだれているのか」同義語しおたれる |
じょうにいる | 死ぬ | あのおんちゃんも、じょうにいったか | 「あのおじさんも、死んだか」 |
じょうぶい | 頑丈な | じょうぶい人やったに、いからったかよ | 「丈夫な人だったが、だめだったか」 |
じょうぶくろ | 封筒 | じょうぶくろ、ひとうつないろか | 「封筒一つないか」 |
しょうもく | 主材料 | しょうもくばっかり食いよっちゃいくまい | 「肉(主材料)ばかり食べてはいけない」 その料理における主材料。すき焼きなら肉のこと。 |
じょうり | ぞうり | あたらしいじょうりこうてもろた | 「新しい草履、買ってもらった」 |
しょだち | 育ち | 今年の稲はしょだちんわりい | 「今年の稲は育ちが悪い」しょうだちに同じ |
じょち | 〜と | いこうじょちしよる | 「行こうとしている」語の後ろに付き意志を表す |
しょのむ | そねむ、うらやましがる | 人をしょのんだちいくまいが | 「他人をうらやんでもだめだろうが」 |
しらった | 白紙 | しらったの紙ちょうだいや | 「何も書かれていない紙くださいよ」 |
しりうち | 泥はね | そんげ、はしったらしりうちするぞ | 「そんなに走ったら泥はねするよ」 |
じるい | ぬかるんでいる | じるいとこ、よってあるくな | 「ぬかるみを選って歩くな」 |
じるたんぼ | ぬかるみ | 家ん前はじるたんぼんなっちょる | 「家の前はぬかるみになっている」 |
しろどる | 慌てる | なせ、それば、しろどっちょらや | 「どうして、それほど慌てているのですか」 |
しわい | しつこい | おお、しわい、ほんまに、しわい | 「ああ、しつこい。本当にしつこい」 |
しんき | 面倒 | しんきな話すなや | 「面倒な話をするな」根を詰める作業はしんきな仕事となる |
じんじ | じいさん | 対語ばんば | |
じんま | 夫婦 |