い
幡多弁 | 共通語 | 用例 | 解説、その他 |
い | に | そこいある | 「そこにある」助詞「に」の音韻変化。そこに→そこい、どこに→どこい |
いい | はい | いい、いい、それでえいわよ | 「はい、はい、それでいいよ」同義語に「いん」がある |
いいあわす | 結びつける | あのふたあり、いいあわすかよ | あの二人、結婚させようか |
いお | 魚 | いお嫌いつか、たまるもんか。こればうまいに。 | 「魚嫌いだって、そんなことでどうする。これほど美味しいのに」同義語いよ、びんび |
いおくいがみ | 幼児の頭に残す髪。調査中 | ||
いがく | ゆがく | タケノコいがいてくり | タケノコゆがいてください |
いがむ | ゆがむ | この板はいがんじょらせんか | 「この板はゆがんでいなかい」同義語えがむ |
いかん | だめ | そんげなことしたらいかん | 「そのようなことをしたらいけない」禁止を表す。西土佐では「いけん」 |
いきづむ | 力を込める | なに、そればあいきづんじょらや | 「何をそれ程力を込めているのか」何かに力を込める様子を表す |
いじゃ | 〜とも | おお、行くちや。いかいじゃ。 | 「ああ、行くとも。行くとも」必ずそうする意図を示す。すらいじゃ、できいじゃ |
いける | 埋める、植える | かもうか。そこらあたりに、いけちょったらえいわや | かまわないから、そこら辺りに埋めておけばいいよ |
いげる | 叫ぶ | 何をそればいげりようがなら | 「何をそれ程叫んでいるのか。」類義語おらぶ、うげる。やけを言うの意味合いが強い |
いけん | だめ | いけん、そんなこというたらいけん | 「だめだ、そんなこと言ってはだめだ」西土佐地区に見られる。他地区では「いかん」 |
いごせ | いごっそう、頑固者 | ありゃ、たいちゃないごせやけん。人の言うことはきかせん | 「あいつは、たいへんな頑固者だから。他人の言うことは聞きはしない」土佐弁ではいごっそう |
いこないこな | それぞれ、各々 | 今日はいこないこなで休みとれや | 「今日はそれぞれで休みをとりなさい」同義語めんめ |
いこる | 燃える、勃起する | ええばあにいこっちょるやいか | 「いい具合に燃えているじゃないか」 |
いころ | 命、体力、根性 | あの男はいころがあるけん | 「あの男は根性がある」火種。囲炉裏等に残っている炭火。 |
いしかけ | 石垣 | いしかけんくえた | 石垣が崩れた |
いしぶ | リンパ節 | いしぶんはれちょる。 | 「リンパ節が腫れている」主に大腿部のリンパ節を言う。 |
いそぎどされ | わがまま、勝手 | 調査中 | |
いそしい | かいがいしい | こな子は、よいよいそしいねや | 「この子は、とても甲斐甲斐しいねえ」かいがいしく、気が回る様子 |
いただ | それでなくても | いただ、せわしいに。まだ仕事があるかよ | 「それでなくても忙しいのに、まだ、仕事があるのかい」 |
いたっぽ | イタドリ | いたっぽ取りにいっちょった | 「イタドリ取りに行っていた」いたづり、いたんぽ。茎を食用にする |
いたづり | イタドリ | いたづり取りにいっちょった | 「イタドリ取りに行っていた」いたっぽ、いたんぽ。茎を食用にする |
いたぶ | イヌビワ | いたぶ取りにいっちょった | 「イヌビワ取りに行っていた」ほのかに甘く食用になる。あまり美味しいものではない |
いたぶでこ | 丸い額 | 額の丸い人に対する蔑称 | |
いたんぽ | イタドリ | いたんぽ取りにいっちょった | 「イタドリ取りに行っていた」いたっぽ、いたづり。茎を食用にする |
いちがい | 一徹、生真面目 | あの人はいちがいな人やけん | 「あの人は一徹な人だから」多くは肯定的な意味を持って使われるが、融通が利かない意味も含まれる |
いちきちもんちきち | 行ってきて帰ってきて | いちきちもんちきちしよるうちに、日ん暮れた | 「行ってきて帰ってきてを繰り返すうち、一日が終わった」宿毛、大月、土佐清水西部で使われる方言を表すときにこの語をしばしば使う。助詞「て」が「ち」になるのが特徴。 |
いっけんち | 親戚 | おらんくと、われんくはいっけんちぞ。しっちょったか | 「私の家と、あなたの家は親戚だ。知っていたか」 |
いつぞや | いつか | いつぞやは、よいよ世話んなったのし | 「この間はとてもお世話になりましたね」時間の曖昧な過去を表す。いつぞやからある←いつの間にかそこにある |
いっちょ | 一度、一つ | いっちょ、やってみるかや | 一つやってみようじゃないか |
いっちょろ | 一張羅、晴れ着 | 今日はいっちょろきいちょるやいか | 「今日は一張羅を着ているじゃないか」一張羅が変化したもの。いっちょら |
いつっちゃ | いつまでも、いつまでたっても | 来るゆうたに、いつっちゃこんじゃいか | 来ると言ったのに、いつまで経っても来ないではないか |
いっぱいこっぱい | いっぱい、乱雑 | 座敷はいっぱいこっぱいになっちょるじゃいか | 「座敷は乱雑になっているじゃないか」ものがいっぱいあり、乱雑な様子 |
いっぷり | 変わり者、偏屈 | 調査中 | |
いつもかつも | いつでも | いつもかつも、えいことばっかりあるもんか | いつもいつも、いいことばっかりあるものか |
いともかいもない | 痛くも痒くもない | そんなもなあ、いともかいもないわ | 「そんなものは、痛くも痒くもない」いともかゆもない |
いながら | そのまま | いながら、つきすわったけん、ざまにことうた | そのまま尻餅をついたものだから、とても体に堪えた |
いなす | 帰らせる | わりいようなけん、はよいなせ | 悪いようだから早く帰らせろ |
いなり | そのまま | いなり、つきすわったもんじゃけん、ことうたろう | そのまま尻餅をついたのだから、体に堪えたろう |
いぬる | 帰る、戻る | おらあ、もう、いぬるけん | 「私はもう、帰るから」終止形「いぬる」「死ぬ」と同じ活用をする |
いねいね | 五分五分 | 今日の勝負はいねいねやねや | 「今日の勝負は五分五分だな」勝負事で勝ち負けがつかないこと |
いび | 指 | いびねぶってまんな | 「指を舐めるな」親いび、人差しいびとは言わない |
いびしい | 汚らしい、いやらしい | おおの、いびしいちや | 「ああ、なんてきたない」嫌な気持ちを表す。「いびしいばおる」は多いことを表す |
いびら | いぼ | いびに、いびらんできちょる | 「指に、いぼができている」カエルから感染すると言われた |
いびらごと | イボガエル | いびらごとさわりよったら、いびらんできるぜ | 「イボガエルを触っているとイボが出来るよ」 |
いぼる | しめる、絞め殺す | 鶏いぼった | 鶏を絞めた |
いもつぼ | 芋蔵 | いもつぼから、いもっとってきてくり | 「芋蔵から芋を取ってきてくれ」 土間に穴を掘って芋を貯蔵する穴 |
いもと | 妹 | いもとの子やけん | 「妹の子だから」同義語いもむと |
いもむと | 妹 | いもむとの子やけん | 「妹の子だから」同義語いもと |
いやあぞ | あら、いやだ | いやあぞ、はずかしいやいか | 「いやだ、恥ずかしい!」感嘆詞のように用いられる。特に意味がないことも多い |
いやし | 意地汚い人、意地汚い行為 | いやしするな | 「意地汚い真似をするな」いやしいの名詞化 |
いやる | 穴がふさがる | こりゃいかん、耳の穴んいやっちょる | これはいけない、耳の穴がふさがっている |
いよ | 魚 | いよ釣ってきたけん、とりにきたや | 魚釣ってきたから、取りに来なさい |
いらう | さわる | 人のもん、いろうてまんな | 「他人のものを、さわるんじゃない」同義語つつく、せぜく |
いらばかす | からかう | ちんまい子いらばかいて、おもしろいかよ | 小さい子をからかって、おもしろいかい |
いられ | せっかち | めっそにいられがおおいねや | 「本当に、せっかちな人が多いねえ」幡多の人は本当にいられな人が多い |
いれて | いれて | いれて、いれてえ | 「遊び仲間に入れて欲しいときに言う」同義語なして |
いわえる | 束ねる、結ぶ | かっしり、いわえちょいてくりよ | しっかり、結んでいてくれよ |
いわがんど | 岩盤 | いわがんどじゃけん、掘るに骨んおれる | 「岩盤だから、掘るのに骨が折れる」同義語いわごっとう |
いわごっとう | 岩盤 | いわごっとうじゃけん、掘るに骨んおれる | 「岩盤だから、掘るのに骨が折れる」同義語いわがんど |
いん | はい | 「わかったかよ」「いんいん」 | 「わかったかい」「はいはい」同義語いい |
いんぐりかんぐり | 曲がりくねった | この先はいんぐりかんぐりしちょうけん、ゆっくり行けや | 「この先は曲がりくねった道だから、ゆっくり行きなさい」同義語えんぐりかんぐり、えぐりかぐり |
いんじゃんほす | じゃんけんぽん | 他に、ちっけった |