あ
幡多弁 | 共通語 | 用例 | 解説、その他 |
あい | 鮎、アユ | あい、釣って来たけん食うかよ | 「鮎釣って来たから、食べるかい」幡多郡以外に津野地区でも「あい」が使われる |
あい | 暇 | あいん出来たら、遊びにきたや | 「暇な時、遊びに来てよ」 |
あい | はい、ハイ | 「おるかよ」「あい」 | 「いるかい」「はい」主として女性が使うが、男性が使っておかしいと言うことではない |
あいぎれ | 隙間 すきま | あいぎれんする服きいちょったら風邪ひく | 「(そんな腹が見えるような)服を着ていたら、風邪を引く」服が短く、腹や腰が見える状態 |
あいさ | 暇、時々、たまに | あいさに来てくれたや | 「暇が出来たら、来てください」忙しい時の少しの間 |
あいさん | 兄さん | あいさん元気かよ | 「兄さん、元気かい」兄 男性に対する呼称 同義語あいやん |
あいた | 明日 | 残りはあいたすらあよ | 「残りは、明日するよ」昨日=きんにょう |
あいと | あいつ | あいとの言うこたあ、あてにならん | 「奴の言うことなど、あてにはならない」類義語あと |
あいへど | 返事 | あいへどうたないくまいが | 「返事をしなくてはいけないだろうが!」問いかけに対する返答 |
あいまち | 過ち、間違い | 誰やち、あいまちすることがあらや。 | 「誰でも、間違いをすることはあるよ」間違い、けが、過ち、倫理に反すること |
あいやん | 兄さん | あいやん、元気にしよるかよ。 | 「兄さん、元気にしているかい」同義語あいさん |
あいる | 合鴨、アヒル | うちのあいるん、おらんなったがちや | 「うちのアヒルが、いなくなったんです」家禽として普通に飼育された |
あえる | 混ぜる、もむ、からかう | そればこんまい子をあえちまんな | 「それほど小さい子をからかうな」あえるは、混ぜる、もむ以外に、人に対してもからかう、戯れるの意味がある |
あおてる | 慌てる | そんげに、あおててまんなや | 「そんなに、慌てるなよ」そんなに、慌てるんじゃないよ。 |
あか | あかねんごぬかすな。 | 「嘘つくな」ごちゃごちゃいうな!の意。ねんごうは理屈で、あかはそれを強める接頭語。他にあかまいすの用例がある | |
あか | 排水 | あかはかせや | 「排水せよ」舟から出す必要のある水。全国的に使われる |
あかい | 明るい | 東の空んあこなった | 「東の空が明るくなった」明るいの意で使われる。 |
あかいこ | アカテガニ | アコイコつかまえろうや | 「カニつかまえろうや」アカイコは陸生のカニ。夏のブダイ釣りの餌になる |
あかねんご | 屁理屈 | あかねんごぬかすな | 「嘘つくな」あかは、強めの接頭語。屁理屈言うなの意 |
あかまいす | 嘘つき、詐欺師 | このあかまいすが! | 「この嘘つき野郎」まいすは売僧である。嘘つきを罵ることば |
あがりはな | 玄関、入り口 | あがりはな、片付けちょけ | 「玄関、片付けておけ」「はな」は、はなから(初めから)の意味を持つ |
あがる | 卒業する、入学する、終了する | 今年、学校にあがるけん | 「今年、入学するから」あがるは卒業、入学、進級、終了の意味がある。学校を上がるが卒業。 |
あけび | ムベ | あけびんなっちょるみたいなぞ | 「アケビがなっているようだぞ」アケビ科のムベもアケビと呼ばれる |
あき | 稲刈り | あきの季節やねや | 「稲刈りの季節だねえ」主に中村、大方で使われる |
あぎ | 顎、あご | あぎんあわん | とても面白いことを「あぎがあわん」等と表す。意味は顎と同じ |
あく | 飽きる | もうあいたかよ。めっそに早いねや。 | 「もう飽きたかい。とても早いねえ」意味は飽くであり、活用だけが異なる |
あくた | 塵、ゴミ | ざまあ、あくたんでたもんよ | 「とても、ゴミがたくさんでたものだ」ゴミ、塵の意でしばしば用いられる。 |
あげる | 吐く、もどす | 気持ちん悪てあげたちや | 「気持ちが悪いから、吐いたよ」嘔吐すること。 |
あざがえす | 混ぜ返す | ししん、田んぼあざがえいちょるじゃいか | 「猪が田をひっくり返しているじゃないか」畦をかえすの意か。 |
あざがえる | 乱れている、混ぜ返されている | 家ん中あざがえっちょるじゃいか | 「家の中が乱雑になっているじゃないか」あざがえるは、ひどく乱雑な様子を言う |
あさぶら | 草履、ぞうり | えいあさぶらはいちょるやいか | 「いい草履を履いているじゃないか」草履をさす |
あじもしゃしゃらもない | 味もそっけない、淡泊 | あじもしゃしゃらもない | あそもそっけもないしゃしゃらには様々な説がある |
あそびど | 遊び人 | あとは、あそびどやけん。ええ身分よ | 「彼は遊び人だから。いい身分だな」同義語あそびどん |
あそびどん | 遊び人 | あとは、あそびどんやけん。ええ身分よ | 「彼は遊び人だから。いい身分だな」同義語あそびど |
あじな | おかしな、変な、生意気な | あじなこと、いうてまんな | 「生意気なこと言うな」生意気な、おかしげな等の、否定的な意味合いで使うことが多い |
あつかむ | 迷惑に思い、粗略に扱う | そればあ、あつかまんでもえかろうに | それほど、粗略に扱わなくてもいいだろうに |
あちゃこちゃ | 逆、逆順、不揃い | 靴があちゃこちゃになっちょるやいか | 「靴が不揃いじゃないか」あっちこっち |
あっぽろける | 呆れる、驚く | それ聞いて、あっぽろけになっとや | それを聞いて呆れて放心したよ」驚き呆れ、放心すること |
あて | 私、自分 | あてん行ってくらよ | 「私が行ってきます」男女ともに用いる |
あてしょ | 宛名 | あいやんくのあてしょはどこやったぞ | 兄さんの家の宛名はどこだったかな |
あと | あいつ | あとは、ろくなもんやない | 「あいつは、ろくな奴ではない」二人称単数。あいつ、奴の意味合いが強い |
あどえる | 慌てふためく | 何をそればあ、あどえよら | 何をそれほど、慌てているんだ。 |
あとぎゃく | 宴会 | あとぎゃくしようらあよ。食べていかんかよ。 | 「あとぎゃくしているよ。食べていかないかい。」おきゃく(宴会)が終わった後、手伝いの女性たちが宴会をすること。またその宴会を指す。同義語まないたあらい |
あどしない | 調査中 | ||
あとのす | あいつ | あとのすは、ほんまにろくなもんやない | 「あいつは、本当にろくな奴ではない」二人称単数。あいつ、奴の意味合いが更に強い蔑称 |
あともち | 餅、餅つき | あともちつかな終われまい | 「あともちをつかなければ、餅つきは終われないだろう」餅つきの最後につく餅 |
あば | おばさん | 「あばよ。これあろうちょってくり」 | 「おばさん、これ洗っておいてください」 |
あまぐら | 黒カビ | ちゃんとほさんとくるめたら、あまぐらんできるちや | 「きちんと干さないで片付けたら、黒カビがはえるじゃないか」濡れた衣類に発生する黒色カビ |
あまぶら | 斑点、紫斑 | あまぶらんできちょるじゃいか | たき火に当たったときに肌の表面にできる斑点。低温火傷。東北地方に同じ言葉が残る。 |
あもけ | おばけ | 調査中 | |
あらいあけ | 食器洗い | あらいあけしちょってや | 食器洗いをしておいてね |
あらかた | おおかた、大方 | あらかた、かたづいたねや | おおかた、片付いたねえ |
あらく | 開く、差が開く | よいよあらいちょるじゃいか | とても、差がついているじゃないか |
あらくたい | 荒い、荒っぽい、雑な | あらくたい仕事すな | 雑な仕事をするな |
あらけない | 荒い、荒っぽい、雑な | あらけない仕事すな | 雑な仕事をするな |
あらける | 広げる、片付ける | そこらし、あらけてくり | 「そこら辺り、片付けてくれ」片付けて場所を広げる |
ありど | アリ、蟻 | ありどんす、みだいちゃれ | 「蟻の巣を壊してやれ」同義語ありんど |
ありどころじゃない | ない | そんげなこと、ありどころじゃない | 「そのようなこと、あってたまるものか」絶対ない。あり得ない |
ありんど | アリ、蟻 | ありんどんす、みだいちゃれ | 「蟻の巣を壊してやれ」同義語ありど |
あれなり | あのまま、その程度 | あとらあ、あれなりよ | 彼らはずっとその程度のものだ |
あんかぶじ | 安心、のんき | これからあ、もう、あんかぶじよのい | 「これからは、もう、安心だなあ」安心している様子。安康ぶじん |
あんき | のんき | わんだら、あんきなもんよねや | お前ら、のんきなもんだな |
あんぼっけない | 心細い | ひとおりじゃ、あんぼっけないちや | 「一人じゃ心細い」不安な様子 |